2024年8月19日月曜日

番外編 久保晃の抽象画

 

奈良市立美術館にて

久保晃は久保極の父。
ずっと抽象絵画を描いてきました 。
今回の河野邸での展覧会では
初の親子コラボとなったので
少し久保晃のことを書いておこうと
思います。

久保晃は元々は具象画を描いていたそうです。
具象画はなかなか味があってうまいと思います。
そして、多分、具象画に徹していれば
もっと売れていたのではないかとも思います。
 
いつから抽象に転じたのかは知りませんが
パリへ単身渡り向こうで7年近く活動し
アメリカへも渡ってそちらでも1年近く
活動していました。

家族にとっては問題が多かったと思います。
それでも絵を描くのをやめることはなく
ずっと描き続けて、死の前日まで
普通に描いていました。
そういう意味では芸術家としての
人生を全うしたと思います。

こちらには何か要求することは一切なく
個人主義を貫きました。
 
私が一番覚えているのは朝ごはん。
 
カフェオレ、
ゆで卵、
バナナ、
トースト、
ピーナッツバターとジャム、
そしてヨーグルトです。
 
カフェオレがパリの名残りで 
ピーナッツバターがアメリカの
名残りだったのでしょうか。

最後は伊勢の海に散骨しました。
海はどこへでも繋がっています。
きっと世界の好きなところへ行った
と思います。 

 
 
当時の学芸員川口氏のセレクトが素晴らしい

今でも新しい
久保晃の絵
ホテルのロビーに置いたら合いそう   

 

久保晃・極 展

9月1日(日)〜29日(日)

途中入れ替えあり

11:00〜17:00 最終日16:00まで
月曜日休館 16日、23日祝日営業
翌日休館

9月1日(日) 14:00〜
オープニングコンサート

ティーフェトリオ
Viola 坂口雅秀 Cello 荒木雅美 Contrabass 渡戸裕子

河野邸

大阪府和泉市内田町3-5-11

 9月1日(日)15日(日)16日(月)22日(日)23日(月)29日(日)

久保極会場にいます。

皆さんのお越しを楽しみにしております!!

2024年8月12日月曜日

9月から始まる久保極の展覧会のお知らせ

 

久保極の大理石の彫刻 あぐら
あぐら 大理石 13×12×12cm

暑さで溶けそうな毎日が続いていますが

みなさんいかがお過ごしですか?

我が家は相変わらずエアコンなしで

過ごしています。

滞在者がいた時は晩ごはんの時だけ

エアコンをつけていました!

この暑さを乗り越えられたら

どんなことにも耐えられる気がします。

 

さて、展覧会のお知らせです。

久保晃・極 展

9月1日(日)〜29日(日)

途中入れ替えあり

11:00〜17:00 最終日16:00まで
月曜日休館 16日、23日祝日営業
翌日休館

9月1日(日) 14:00〜
オープニングコンサート

ティーフェトリオ
Viola 坂口雅秀 Cello 荒木雅美 Contrabass 渡戸裕子

河野邸

大阪府和泉市内田町3-5-11

素晴らしいアートギャラリーです。

ちなみに久保晃は久保極の父。

抽象画を書いていました。

久保晃のことは次回のブログに書く予定です。

 

今回は期間が長いので是非!!

どこにも無い 他の作家には作れない

久保極の石の彫刻が見れる滅多に無い

機会です。

 9月1日(日)15日(日)16日(月)22日(日)23日(月)29日(日)

久保極会場にいます。

 

久保極の大理石の彫刻 あぐら
角度を変えて 
久保極の大理石の彫刻 あぐら
まるで折り紙のような大理石の彫刻

2024年6月17日月曜日

ねじれ六角

 インスタにも上げましたがブログにも

頑張って制作過程を上げておきます。

大理石の作品です。


久保極の大理石の彫刻
最初は大理石の塊

久保極の大理石の彫刻 ねじれ六角
ざっくりとかたちを作る


久保極の大理石の彫刻 ねじれ六角
穴を開ける

久保極の大理石の彫刻 ねじれ六角
いらない部分を落として行く

久保極の大理石の彫刻 ねじれ六角
空間のアップ
 
久保極の大理石の彫刻 ねじれ六角
だいたいかたちになった

久保極の大理石の彫刻 ねじれ六角
細かい部分を彫って行く

久保極の大理石の彫刻 ねじれ六角
ほぼ完成

完成 ねじれ六角 18×18×22cm

      

40年ほど前の話です。
バーのカウンターで隣に
座っていた久保極が1枚の
写真を見せてくれました。
それはモノクロで、全部が
ねじれた物体が写っていました。

「何、これ木なの?」

「石」

とのお答え。

何か言わなくては!と
焦った私は、

「おもしろいね!」

と言うのがやっとでした、、、

あれから何十年も久保極の
彫刻を見ていますが、
40年程経った今頃、
久保極が目指している地点が
ぼんやりと分かりかけています。

幾何学には無限大の世界があり
一番、作るのが困難な石の彫刻で
久保極は幾何学の世界を表現しているのでしょう。

多分、そんな面倒なことを
する彫刻家は久保極ひとりしか
存在しないので、石が久保極を
つかんで離さないのだと思います。

2024年6月6日木曜日

展覧会のお知らせと不思議なお話

久保極の万成石の彫刻
尖端 Spearhead

久保極の万成石の彫刻
万成石 28×28×24cm 

久保極万成石の彫刻
久保極の仕事場で撮影
 

 不思議な出来事がありました。

石の撤去の仕事があるということで
久保極が 現場へ見に行くと
撤去する予定だったのは壊れた
石の灯篭でした。
 
江戸時代のものと思われる古いもので
下に龍が彫られていました。
龍の胴体は割れていたそうです。 

久保極も一緒に行った石屋の社長も
これはいくら何でも残した方がいいと
言うことで久保極が修復することになりました。

修復は3日ほどで出来て、割れた部分も
アクリル絵の具で着色して
ほぼわからなくなったそうです。 
龍の胴体もきちんとつながりました。
そして、灯篭の周りには松が植えて
あったのですが枯れかけていたそうです、、、
龍が元どおりになったので、
きっと松も元気になることでしょう。 
ちなみに龍は4本指の龍でした。

それから、数日後、久保極が
「龍がお礼をしてくれた」
というではありませんか。
「えっ、何かもらったん?」
と聞くと 
龍は久保極が一番欲しいものを
プレゼントしてくれたそうです。
それが何かは久保極と会った時でも
聞いてみてください。
あまりに不思議な話なので、こうして
記録に残しておこうと思います。

さて展覧会のお知らせです。
毎年、恒例の6月のグループ展です。

JUNE-Untitled
 6.11(火)ー6.23(日)
11 :00ー18:00
月曜日休廊ー最終日16:00 まで
奈良市 西林町22
Tel/Fax 0742-31-1674

テキスタイル、木、石、平面、
など様々なジャンルの作家、35名の
作品が一同に見られます。
 
久保極18日(土 )13時頃より
在廊しています。
 
みなさん、是非いらしてください!!

 


 

 

 



2024年4月29日月曜日

結晶 久保極が初めて日本を脱出した日について



結晶 久保極の大理石の彫刻
結晶 大理石
 
 50年前の4月17日、久保極は横浜から船で日本を
脱出しました。18歳でした。
その日が生涯で最良の日だったのでしょう。
耳にタコができるぐらいその話を聞いたので。
当時はソ連と言われていたロシアに到着して、
そこから鉄道でイタリアを目指しました。

何をするかはなーんも決めていなかったそうです。
「美術でもしたら良いとお父さんは思ってたんとちゃうん?」
と久保父は画家なのでそう聞いたら、
「何も親父は考えていなかった」
との答え。
とりあえず、ペルージャの語学学校へ 入学します。
何で行ったのかは知りませんが、何かの都合で
カラーラの街に足を運びます。
その街を歩いていた時、のみで石を打つ音が聞こえ、
直感でこれが自分のすることだとわかったそうです。

久保極とイタリアの縁は不思議ですが、
久保極と関わってイタリアと縁ができた人も
多数いてそれも本当に不思議です。
一番良かったのは久保極の高校の先生ではないでしょうか。
なんせ新婚旅行でイタリアへ行き、久保極が
案内と通訳をしたので。

いまだに一番不思議に思うのは
どこにも所属せず、賞とも一切無縁で
権威や肩書きが大嫌いな久保極が
いつまでも彫刻家としてやっていけることです。
これは今の世界では奇跡です。
 
そして、その作品は幾何学の世界。
唯一無二で幾何学の法則に基づき
石で3次元の世界を作り出す。
たまーに、あれ、これ久保極のコピーかな?
と思う彫刻を見ることもありますが、
それは幾何学から作り出していないので
それだけで終わってしまいます。
久保極の場合は幾何学から成り立っているので
作品のかたち は無限大です。
今では200以上、違うかたち、素材の
彫刻が存在します。
多分、これは世界でただ一人でしょう。

人智を超えた何かがイタリアへの道筋を作り
それに導かれ、久保極は彫刻を作っている。
だから、どんなことがあろうと
久保極は彫刻を作るのをやめません。
 
結晶 久保極の大理石の彫刻
角度を変えて


10×10×10cm

結晶 久保極の大理石の彫刻
方向を変えると違うかたち

結晶 久保極の大理石の彫刻
久保極だけの幾何学のかたち









 

2024年3月11日月曜日

透視 イタリア時代の彫刻


透視 イタリア時代の久保極の大理石の彫刻
大理石の丸彫りの作品
久保極、20代のイタリア時代の作品である。
大理石の丸彫りで一つの石から彫り抜いたもの。
まさに狂気としか言いようのない彫刻。
 
当時はイタリアの大理石の職人のおじさんたちが
毎日のように見に来ていたそうだ。
どうやって作ったのか、今となっては
わかりようもないです。
 
この当時の作品は、イタリアから持って帰り
今でも友人の倉庫に8個ほど眠ったままである。
来るべき日が来たら展示しようと思っているのだが
その来るべき日がいつまでたっても来ないので
40年近く倉庫に埋もれたままである。
その友人はアル中だし、どうなんのかなあ??
 
久保極の彫刻が理解できる人が
現れるまで、彫刻たちは倉庫でまったりと
今でもまどろんでいる。
彼らは永遠に死なない、、、、、、、
 
透視 イタリア時代の久保極の大理石の彫刻
上から見たところ
 
透視 イタリア時代の久保極の大理石の彫刻
透視 21×21×21cm
 
 



 

2023年12月23日土曜日

明石川沿いの鯉と蟹の彫刻

 

明石川沿いの久保極の彫刻
蟹の彫刻 赤御影石
 
1997年の 久保極の作品が明石川沿いに設置されていて
見に行ったら、流されも移動もされずにあったので 撮影しました。
 
当時この3つを1週間で制作したそうです。
いくら若かったとはいえ、最速の仕事だと思います。
そして、具象彫刻は滅多なことで作らないので
非常に珍しい久保極の彫刻作品です。

明石川沿いの久保極の彫刻
久保極と彫刻

明石川沿いの久保極の彫刻
鯉が二匹

目が可愛い