2019年8月14日水曜日

彫刻の制作過程 ヤマアラシ

久しぶりに久保極の彫刻の制作過程をUPします。
超絶技巧の作品をどう作るか公開です。

久保極大理石の彫刻
彫刻の制作過程その1 最初にざっくりとした型をとります。

久保極大理石の彫刻
彫刻の制作過程その2 別方向から見たところ。

久保極大理石の彫刻
彫刻の制作過程その3 その1よりも彫り進めます。

久保極大理石の彫刻
彫刻の制作過程その4 マイナスしながら幾何学の形を作ります。

久保極大理石の彫刻
彫刻の制作過程その5 マイナスしたのがわかるでしょうか。

久保極大理石の彫刻
彫刻の制作過程その6 バッテンの一片がマイナスされています。

久保極大理石の彫刻
彫刻の制作過程その7 後は彫り抜きます。

久保極大理石の彫刻
完成 ヤマアラシ 中がくり貫けています。これは久保極だけのテクニック。 

インスタで順に上げていたのだが、もしかしたら最初のざっくりした形が完成だとみなさん思われていたのかもしれない。ああいう感じのものなら世界に存在しているから。

最後にくり貫けていて、しかも一つの石から彫り抜いているのは、他で見たことがないので、世界中で多分、久保極だけです。



2019年7月13日土曜日

流星

久保極の大理石の彫刻
流星 大理石 13x14x12cm
久保極の彫刻はあまりにたくさん作品があるので、いったいどれをアップしたか時にわからなくなる。で、なるべくインスタと連動させてアップするようにしています。

さて、この前は映画を見てきた。

「新聞記者」も見たかったけれど、それではなくて1週間限定公開の「ラストタンゴ・イン・パリ」

私は日本で公開した時一度見ました。
色々取りざたされるけれど 、ベルトリッチ監督の最高傑作だと思う。

どうしてもまた、映画館で見たくて足を運んだ。

もう、40年以上前に見たので、だいぶ忘れていたし、当時はカットされていたシーンも多かったみたいで、また初めて見る感じだった。

1972年制作だが映画は古さを全く感じさせなかった。
マリア・シュナイダーの毛皮の襟のコートや花がついた帽子とか長いマフラーとかファッションがとても素敵だったし、古いパリの街並みが本当に魅力的。そして見た当時は、いい年をしたおっさんだと思っていたマーロン・ブランドが今見てみると若くて、結構男ざかりだったんだな、、、、、、

そしてこの映画はこの主演のふたりなくしては決して作れなかっただろう。

まだ若くて、多分訳も分からず体当たりで演じていたマリア・シュナイダーもすごかったし、男の悲哀を感じさせながらも、すこぶるセクシャルなこの役はマーロン・ブランド以外に演じるのは無理だったと思う。

あまりにも話題になった「バター」のシーンは久保極に言わせれば神父や司祭が男の子にしていたことを暗示しているそうだ。
イタリア人ならすぐ分かると言っていたけれど、本当かな?
だから、イタリアで上映禁止になったのかな。

ラストはあまりにも衝撃的。最初見たときは私は口をあんぐり開けていたと思う。

あのラストで、芸術かわいせつかなんてくだらない論争は一気に吹き飛んでしまうのだ。

機会があれば是非みてください。





2019年5月28日火曜日

圧力

久保極のトラバーチンの作品
圧力 トラバーチン 14x14x14cm
ググってみるとトラバーチンの彫刻は以外と少ない。
彫りにくい石なのかもしれないが。

そして、最近になって気がついたのだが、久保極のように大理石、御影石、トラバーチンと素材の違う石を全部使う彫刻家もいないようだ。

素材によって、道具も違うこともあるかもしれないが、扱いも全部違うからであろう。

どの石でも、同じように扱える彫刻家はもしかして世界中で久保極オンリーワンかもと思っている。

さて展覧会のお知らせです。
JUNE-Untitled
ギャラリー勇斎にて36名の現代作家の様々な作品が出品されます。
久保極も作品を2点出品します。
奈良市の素敵なギャラリーです。
機会があれば是非!!
2019.6.11~6.23まで。

2019年5月20日月曜日

五芒星

久保極の大理石の彫刻
五芒星 大理石   17x17x4cm
真ん中に星型が入っているから五芒星。このきちんとしたエッジが立った星型が切り出せるのが久保極ならではのハイテクニック。たまに誰かコピーでもしていないかなと思うのだが、さすがに石で作っている作家はいない。

さて、映画を見てきた。
「グリーンブック」
今年のアカデミー賞受賞作品で、私の大好きなヴィゴ・モーテンセンが14キロも太って 下品なイタリア系の運転手兼ボディガードのトニー役を演じている。

モーテンセンはそのルックスが関係するのかもしれないが、いつもクールで知的な役ばかりなのに、今回はピザを二つ折りにして丸かじりしたり、ホットドッグの 早食い競争に出たり、下品な言葉や振る舞いをしたり、バイオレンスに走ったりという役。でも、そういう役を演じるのが楽しくてたまらないという雰囲気が出ていた。普段はモデルみたいなすらっとした体型なのに、一体どうやってぽっこりお腹を作ったのかとても気になるなあ。

映画ではピアニストのシャーリーが
「自分に教養があると思われたくて、全く理解もしていないのに音楽を聴きに来る上流階級の連中のために演奏する」と言っていたのが印象的。芸術家の孤独を表現していてとてもよかった。

アカデミーをもらったことでいろいろケチをつけられているみたいだけれど、どんな理由があれ、今、この映画が作れるアメリカにはやっぱり表現の自由があるのだなと思う。

2019年5月6日月曜日

岩礁

久保極の万成石の彫刻
岩礁 万成石 



これも幾何学のかたちの作品。

どこにもないかたち、なーーんていつも書いているのだが、嘘ぴょん〜
幾何学のかたちは自然界にある。

例えばDNAのかたち。これも幾何学。元素のかたち、目に見えるものでは、蜘蛛の巣、蜂の巣、貝の渦巻き、そして葉っぱも花も見事に左右対称。ランダムに作られたものってないのではないかな。物差しなんてどこにもないのにどれもきちんと同じ長さになっている。曲線もランダムではない。

とても不思議だが、それが自然界の掟だと思う。

久保極は本来、人間が持っているはずの能力を「石」で表現しているだけなのかもしれない。

もともと、人間が持っていた幾何学の能力を何かのきっかけで、取り戻したのか、思い出したのか。

元から自然界にあるものなので、幾何学のかたちは無限大。他の作家たちのように、創造するのに困ることはないようである。

2019年5月2日木曜日

星網

星網 トラバーチンの久保極の彫刻
星網 トラバーチン 5.5x18.5x18.5cm
新しく元号が変わったので、少しおめでたいかたちの作品をUPしてみた。

星型を編んだようなかたちなので星網である。

とりあえず、何か変わるということはとてもいいことだと思う。
変わるということは変化していき「気」が流れていくこと。「気」の流れが全てだと最近つくづく思う。

年取れば年取るほど変化がこわいし、変化についていけなくなる。
が、逆に若いと変化が楽しいし、どんどん変わっていくのが刺激的である。

いつまでも若さを失いたくないなら、変化を恐れないこと。
新しいものを受け入れること。

こころも体も柔軟でありたい新しい年です。

2019年4月24日水曜日

月船

月船 久保極の万成石の彫刻
月船 万成石 24x30x23cm

月船は万成石の作品。万成石は岡山特産の御影石である。久保極は滅多なことで磨かないが(かたちに絶対自信があるから)磨くとピンクが浮き出て美しい石である。

雨で散歩に行けない日、家でDVDを見た。

「東海道四谷怪談」
なんと昭和34年製作のもの。

でも、効果音の入れ方とかなかなか斬新でとても面白かった。

お化け屋敷へ行けば、必ずある「お岩さん」
そして目が腫れたら
「お岩さんみたい」というお岩さん。あまりにポピュラーなのだが、そのお話は詳しく知らなかった。

DVDを見てへーこんな話だったのかと感心した。

愛して尽くした夫に重婚され毒薬まで飲まされれば、化けて出て
「うらめしや〜」
で当然だったのね。

映画では天知茂の伊右衛門役がなかなか良かった。お梅役ですごく若くて可愛い池内淳子が出ていたのにもびっくりした。

当時としては珍しい総天然色の映画でストリーも凝っていて、とても見ごたえがありました。

それからお知らせです。
Seoul Art Expo2019 4月26日~28日に久保極も作品を出品します。
ソウルへ行かれる方があれば見に行ってください。