2009年10月13日火曜日
三巴 Triangular Struggle
万成石 サイズはあとからUPします。
三巴もひとつの石から彫りぬいたもの。久保極だけのテクニックのなせるわざである。
以前、神戸へ行ったときのこと、北野のグロッサリーズで買い物をして、外に出て向かいにあるモスクを興味深げに見ていると、グロッサリーズのおじさんが
「どうぞ中へ入ってみてください」
と言ってくれた。それで恐る恐る中へ入ってみた。中に入ると誰もいなくて靴を脱いで上がるようになっている。どうしようかなあと思いながらふとのぞいて見るとアラブ風の白いカフタンを着たお兄さんがなにか整理をしていた。それで
「上がってみてもいいですか」
とたずねると
「どうぞ」
と言われたので靴を脱いで上がってみることにした。
靴を脱いで上がるとお兄さんが私に向かって上を指差した。久保極が
「あんたは二階や」
と言う。そうか私は一応女性なので二階からでないとだめなんだ。なるほど。
二階に上がってみる。とてもしっかりしたつくりの建物だ。下には真紅の絨毯がひかれている。ひざまずいて礼拝するんだもんね。あちこち幾何学の模様がいっぱいでそうなんだ久保極のルーツはここなんだなとつくづく思った。
その日は私は白い長袖のブラウスを着ていた。暑い日だったけどよかった、ノースリーブとかでなくて。
イスラム圏にはとても興味がある。アラブの音楽は大好き。女性の権利がないとか言うけれど、多分それでイスラム圏では男と女は『タイ』なんじゃないかな。私達は西洋文明にゆがめられた姿でイスラムを見ていると思う。いつかぜひアラブ諸国を旅してみたい。
外に出るときお兄さんが見送ってくれる。
「ありがとうございました」
とお礼を言うと
「マアッ・サラーマ」
とお兄さんが礼儀正しく答える。
家に一冊アラビア語の本があった。ありがとうございますでなくてシュクランと言ったらよかった。
アラブ諸国ではきっと久保極の幾何学のかたちは歓迎されるに違いない。そう思いながらモスクを後にした。
2009年10月3日土曜日
翁 Okina
大理石 21×19×9
お月見だからというわけではないが翁と言う作品名になった。きれいな曲線の大理石の作品である。
この前リスボンから久保極あてにメールが来ていた。なんでも久保極のスタジオで2~3ヶ月研修させて欲しいとのことであった。美術学校の学生のようである。久保極の石の彫刻に興味を持って技術を学びたかったのだろう。
翻訳ツールを使って久保極の代わりに英文の返信メールを書いた。残念ながらあなたのご希望にはそうことができません。なぜなら自分自身のスタジオというものを持っていないからです。
また彼からメールが着いた。それなら私を日本で受け入れてくれる芸術関係の機関を紹介していただけないでしょうか。
返事をまた書く。どこにも所属せずに芸術界では単独で活動しているのでそういうところは知りませんし、つながりもありません。ご希望にそえなくてすみません。
友達にそのことを知らせると、あれだけの作品を作っているのだから、海外から見ればスタジオも持っていてお弟子さんも数人いると思うよ。海外の学校では外で研修したりするからね。ということだった。
自分のスタジオー工房を持つことは久保極の夢のひとつである。そして自分の持っている石の技術を若い意欲のある人たちに教えるのも。
スタジオが(出来ればイタリアに)持てて各国からの研修生が来たらさぞかし楽しいだろうな。各国語が飛び交ってとてもにぎやかになるだろう。まあいつかそのうちね。
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