大理石 18×18×18
象は平面の写真でしかお見せできないのが残念である。見る角度によってまったくちがうかたちに見える作品である。
さて、人間は自分が生まれ育った場所から離れたくない人間と、そこから離れて移動するのが好きな人間とおおよそ2種類に分けられると思う。
それで当然と言うか久保極は後者で旅が大好きな男だ。日本から一歩外へ出たとたん生き生きとして別人のようになる。地図さえあれば言葉や文化の違いにはものともせずに、どこの国でも実に楽しそうである。
今は中国のウルムチからカザフスタンへ抜けて旅したいようである。見た目もそうだがどうもこのあたりに久保極のルールがあるようだ。前世はあちこちの国へ高い技術を買われて移動する石職人だったのかもしれない。そう思うと他にはない作品の幾何学のかたちにも納得してしまう。