2018年11月5日月曜日

デジタルキューブ

大理石の久保極の彫刻
デジタルキューブ 14x14x14 大理石

デジタルキューブは大理石の作品。トラバーチンのものもある。
素材を変えるとまた違った表情を石の彫刻は見せてくれる。

この前、図書館で見かけたルネッサンスの多面体百科という本に久保極の作る形がいっぱい載っていると思い、その本を借りてきた。

家に帰り、久保極に「ルネッサンスの多面体百科」を見せると、しばらくその本を見ていたが、
「わしの作るかたちは、この本に出てくるかたちよりも、進んでいる。それに幾何学の形でここまで石で作っているのはあらへん」
とバッサリ切り捨てられた。

「立体で考えるから平面で考えるよりその先を行ける」
とも。

そうですか。まあそうかもしれまへんが。

デジタルキューブはエッジがキリッと立って、計算され尽くして作っている久保極だけに作れる幾何学のかたちです。

2018年10月5日金曜日

TOMONOURA de ART 2018

久保極の万成石の作品 アルハンブラ
アルハンブラ 万成石
 今年もTOMONOURA de ART 2018に久保極が出品しているので見に行ってきた。
台風が来る前で、気持ちの良いお天気の日だった。

鞆の浦のあちこちに置かれた23名と1グループの鉄やテキスタイルや陶器や様々な素材の作品をゆっくり町を巡りながら見ていった。

とてものんびりと楽しい時間でした。

鞆の浦は町そのものがパワースポットだと思う。レトロな町並みを歩くだけで気が通っていく。そして、海外からの使節団などが多数訪れていて、政治的にもかなり重要な地点だったのではないかと思う。
久保極の万成石の作品 アルハンブラ
アルハンブラ 静観寺の庭に置かれている。

彫刻家久保極と作品
彫刻家 久保極と万成石の作品

鞆の浦の坂道
鞆の浦の坂道

鞆の浦の猫
寝ていて動く気のない猫

坂本龍馬像
いろは丸にある坂本龍馬像 高橋謙二氏の鉄の作品

カフェ&ギャラリーSHION でジンジャーチャイ
10月7日(日)の作品見学ツアーには久保極も参加します。
お時間がある方はどうぞ。
場所 鞆の浦一円
集合場所 福山市営渡船場
集合時間 13:00 終了時間 16:00頃
参加費無料


2018年9月12日水曜日

泉 久保極の万成石の彫刻
泉 万成石 50x50x26
昔、作っていた HP「久保極石彫の仕事」はバッサリ捨ててしまったので、そちらにUPしていた写真を再度UPしてみた。

そう、その頃、我が家には猫がいた。飼っていたのではなくて、何度追い払ってもやってくる黒猫がいて、庭に埋めた生ごみを掘り返すので、仕方なく、魚のアラとかをやっていると、勝手に餌をねだりにくるようになった。

その黒猫が連れてきた多分妹と思われる猫が、写真の右手の彫刻に乗っている「モノクロ」で左手にいる猫がその「モノクロ」が生んだ「セミ丸」である。

彼らは5年ぐらい我が家へ通ってきていたが、そのうちにいなくなった。

猫たちは、庭に置いた久保極の彫刻が 大好きで、よくその上に乗っていたり、中に入っていたりしてくつろいでいた。

きっといい「気」が通るのを猫たちは知っていたのだろう。

写真を見ていると、とても懐かしい。猫たちがいた時は楽しかったなあ。
ちゃんと、飼ってあげられなくて、ごめんね。許してね、、、、

それから、お知らせです。

TOMONOURA de ART 2018

9月30日(日)〜10月21日(日)最終日は15:00まで
会場 広島県福山市鞆の浦・一円。
様々な素材を使った作家の作品が鞆の浦を散策しながら見れます。

久保極の万成石の作品は去年と同じく静観寺・庭 に置かれています。
10:00〜17:00まで。休館日なし。
猫ちゃんもいますよ。

彫刻にカンケーないけど猫の写真おまけ。
ベスパに乗っている黒猫
セミ丸

2018年8月1日水曜日

分割された球

万成石の彫刻
分割された球 万成石 46×46×46×



この作品は久保極のものとしては珍しく磨かれたもの。
久保極は滅多に石は磨かない。それと石で黒御影は使わない。
理由は、あえて書かないでおく。

さて、この前、チェット・ベイカーの
「ブルーに生まれついて」
をDVDで見た。

ジャズのトランペッター&、シンガーとして絶頂を極めていたチェット・ベイカーは、ある時、麻薬の売人に殴られ、歯を折られてしまいトランペッターとして致命的な傷を受け、トランペットが吹けなくなる。当然仕事はなくなり、困窮し、ガソリンスタンドで働いたりしながら、血がにじむような思いをして、トランペットの練習を重ね、またトランペットが吹けるようになる。

そのトランペットを吹く姿を眺めながら、彼のマネージャーが
「技術の衰えが、かえって味になっている」
と言うシーン。とても印象的だった。

誰でも、絶頂期というものがあって、体力、気力とも最高の時に一番いいものが作れる。でも下り坂になってからも、頂点を極めるまでやり抜いたアーティストには、その衰えや老いが逆に魅力になるのだ。

私は、若い時のチェットの歌もトランペットも好きだが、最後にボロボロになってからの歌とトランペットはもっと心に染み入る。

経験は最後にその人を助けてくれるものなんだな。
そしてたくさん積んだ経験がその人が作るものに深みと重みを出してくれるのである。

2018年5月27日日曜日

ジャイロスコープ

ジャイロスコープ 大理石の彫刻
ジャイロスコープ 大理石 12φ
ジャイロスコープ(英語: gyroscope)とは、物体の角度(姿勢)や角速度あるいは角加速度を検出する計測器ないし装置。ジャイロと略されることもある(ジャイロセンサと呼ばれることもある) ウイキペディアより。

今回の大理石の作品名はジャイロスコープ。ジャイロスコープとは飛行機やロケットの速度を計算したりするのに使用されているらしい。

久保極の作品名としてはぴったりだと思う。今までの抽象彫刻ではなかったかたちをずっと作り続けているのだから。

さて、今回はグループ展のお知らせです。

JUNE-Untitled
6月5日(火)〜17日(日)11:00〜18:00(月休み)(最終日16:00)まで。


ギャラリー 勇斎
奈良市 西林町22
tel/fax 0742-31-1674

32名の気鋭の作家の作品が見れます。とても素敵なギャラリーです。
お近くにお立ち寄りの際は是非!!

2018年5月14日月曜日

番外編 青御影石のペンダント

青御影石のペンダント
青御影石のペンダント
これは彫刻作品とは少し違うので番外編とした。

私が持っているのはろう石で作ったBのペンダントだけだったが、この前、時間があったのか青御影石のペンダントを久保極が作ってくれた。
青御影石はブラジル産。とても高価な石だそうだ。石は小さな破片を使ったそうだ。青御影石は高価すぎて彫刻には不向きだそう。


とても硬い石なので、Bのようなアルファベットにはすることはできないらしい。円形ならやりやすいそうだが、そこはハイテク技術を持った彫刻家としては面白くないので四角にしたそうだ。なんでも真ん中の穴を開けるのが大変難しかったらしい。

青御影石のペンダント
紺色の革紐をつけた
手芸材料店で、紺色の革紐を買ってきてつけたらいい感じになった。

世界でたったひとつだけのペンダント。とても値段はつけられないでしょう。

2018年4月17日火曜日

妖精

妖精 久保極の万成石の彫刻
妖精 万成石 30x30x30
ハードな日々が続いている。まっなんのバックもないのに芸術家をしているから当然なのだけれど。

以前、今はもう亡くなられた彫刻家のSさんに久保極が
「まさか久保くん、本気で芸術家しようと思っているのではないだろうな」
と言われたことがあるそうだ。

Sさんは奥さんも子供もいられて、大学の先生をされていた。彫刻の仕事だけで妻子を養うなんてとんでもない話だ。それでも色々苦労されていたのかな。結構節制した生活をされていたように見えたけれど癌で亡くなられたので。

で、そのまさかをずっと久保極はしている。まさか、まさかやめるわけにはいかないでしょう。自分で決めて自分で選んだことだから。

まさかをしていて何年になったやら。

我が家はTVを見ることはなく、映画は映画館で見て、夜はたいてい音楽を聴きながら、お互い好きな本を読んでいる。この間読んでいた本は、私はジョン・ル・カレで久保極は広瀬隆だった。

他の家庭とは全く違うが、「まさか」の芸術家の家なのでそれが当たり前なのである。

空気のように映画や音楽や文学がモノを作って生きていくのには必要なのだから。