2010年12月27日月曜日

Atmosphere 大気圏

万成石の抽象彫刻 Atmosphere  大気圏













             万成石 40×40×53

これも万成石の作品。
2011年1月5日から1月16日まで岡山市天神文化プラザにて
「素材をめぐる14人の方法」に出品するひとつ。
お近くの方は是非どうぞ。

さて2010年も、もうすぐ終わる。
我が家では庭の竹垣がぼろぼろになった。一度は倒れた。や、やばい!
それで新しく作り替えることになった。作り替えると言っても我が家では出来る人が作るのである。もちろん庭師さんになんか頼みません。

木材は買って防腐剤を塗り竹垣の素材の竹も買った。最近ではほんものの竹を使った竹垣など見ることもない。みんなプラスチックだ。実に味気ない。台は本当なら万成石を使うところだが、うちは借家である。だからこれは妥協してセメントで。

さて、今時竹垣がきちんと組める庭師さんなんて実在するのかな?もうほとんど日本にはいないと思うのだがどうだろうか。

そして我が家では自称「世界最後の石職人」の彫刻家久保極がいるので竹垣なんてちょろいもんなのだ。

2011年には新しい竹垣が出来上がる。
楽しみである。

2010年10月22日金曜日

蜻蛉 Dragonfly

大理石の抽象彫刻 蜻蛉 Dragonfly



            大理石 直径18cm

久保極の久々の作品の紹介である。
大理石でこれもひとつの石から彫り抜いたもの。
なんとなく蜻蛉の目をイメージさせるのでこういうタイトルになった。
タイトルが重要な意味を持つ作家もあるが、久保極にとっては取り立てて意味がある訳でなく
作品を作ることの方が意味があるらしい。

それから彫刻展のお知らせです。

飛鳥から奈良へ
国際彫刻展2010
くわしくはこちらで
http://narasculpture.web.fc2.com/index.html
久保極の作品は名勝旧大乗院庭園に設置されています。
庭園に入るのに100円要りますが、、、、
正倉院展でも見に行かれる方はついでにどうぞ。

2010年6月20日日曜日

番外編 石臼

万成石の石臼















                     万成石

これは石臼である。そうあの餅つき用の。
さすらいの店主に頼まれ作成したもの。で彫刻ではないので番外編です。

5月にこの完成した石臼でみんなで餅つきをして食べた。
さすがにつきたての餅はめちゃおいしかった。
餅つきの様子は
さすらいのブログでどうぞ。
http://blog.livedoor.jp/sasurai12l/archives/1100974.html
今回はめずらしく久保極は制作過程を写真に撮っています。
こちらも動画にして見れるようにしていただきました。
http://cmizer.com/movie/99600

さて、彫刻家が誰でもこんなにきちんとした形の石臼が作れるかという
とそうではないと思う。

ちなみに石臼をのせる木の台も久保極作です。
木なので結構こちらが苦労したようです。

2010年4月12日月曜日

Guide post 岐路

万成石の抽象彫刻 Guide post 岐路
















            万成石 40×33×46

ずっと久保極の作品のUPがなかったがこれは単にサイト制作者が怠慢なだけである。作品は定期的に1ヶ月に1~2点のペースで出来ている。

岐路は久保極が今ちょうど人生の分岐点に立っていると思われるのでUPしてみた。
それで分岐点だからだかわからないがやたらモノが壊れる。どれも大体15年から20年近く使っていたものだから当然といえば当然なのだが。

この前はラジカセが壊れた。ほぼ20年ぐらい使っていたから寿命だろう。でもラジオは朝、台所で食事をするのでイタリア語と中国語のラジオ講座を聞くために必要なんである(ステレオは居間にある)。仕方がないので買う。ラジオは安かったけれど、壊れたもので久保極の登山靴。これも崩壊したが、これは買い換えるには高くついた。高くても結局歩きやすさで登山靴はイタリアのSIRIOのものになった。

あと車がいつ壊れてもおかしくない。20年も乗っている日産のヴァネット。いまやアンティークカーの風格である。

この車が壊れるときに、久保極がイタリアで作ったねじれた大理石の彫刻が世界に出せるときなのだろうか。それまでは作品は封印されて倉庫に眠っている。

2009年10月13日火曜日

三巴 Triangular Struggle

万成石の抽象彫刻 三巴 Triangular Struggle















万成石 サイズはあとからUPします。

三巴もひとつの石から彫りぬいたもの。久保極だけのテクニックのなせるわざである。

以前、神戸へ行ったときのこと、北野のグロッサリーズで買い物をして、外に出て向かいにあるモスクを興味深げに見ていると、グロッサリーズのおじさんが
「どうぞ中へ入ってみてください」
と言ってくれた。それで恐る恐る中へ入ってみた。中に入ると誰もいなくて靴を脱いで上がるようになっている。どうしようかなあと思いながらふとのぞいて見るとアラブ風の白いカフタンを着たお兄さんがなにか整理をしていた。それで
「上がってみてもいいですか」
とたずねると
「どうぞ」
と言われたので靴を脱いで上がってみることにした。

靴を脱いで上がるとお兄さんが私に向かって上を指差した。久保極が
「あんたは二階や」
と言う。そうか私は一応女性なので二階からでないとだめなんだ。なるほど。
二階に上がってみる。とてもしっかりしたつくりの建物だ。下には真紅の絨毯がひかれている。ひざまずいて礼拝するんだもんね。あちこち幾何学の模様がいっぱいでそうなんだ久保極のルーツはここなんだなとつくづく思った。

その日は私は白い長袖のブラウスを着ていた。暑い日だったけどよかった、ノースリーブとかでなくて。

イスラム圏にはとても興味がある。アラブの音楽は大好き。女性の権利がないとか言うけれど、多分それでイスラム圏では男と女は『タイ』なんじゃないかな。私達は西洋文明にゆがめられた姿でイスラムを見ていると思う。いつかぜひアラブ諸国を旅してみたい。

外に出るときお兄さんが見送ってくれる。
「ありがとうございました」
とお礼を言うと
「マアッ・サラーマ」
とお兄さんが礼儀正しく答える。
家に一冊アラビア語の本があった。ありがとうございますでなくてシュクランと言ったらよかった。

アラブ諸国ではきっと久保極の幾何学のかたちは歓迎されるに違いない。そう思いながらモスクを後にした。

2009年10月3日土曜日

翁 Okina

大理石の抽象彫刻 翁 Okina













            大理石 21×19×9

お月見だからというわけではないが翁と言う作品名になった。きれいな曲線の大理石の作品である。

この前リスボンから久保極あてにメールが来ていた。なんでも久保極のスタジオで2~3ヶ月研修させて欲しいとのことであった。美術学校の学生のようである。久保極の石の彫刻に興味を持って技術を学びたかったのだろう。

翻訳ツールを使って久保極の代わりに英文の返信メールを書いた。残念ながらあなたのご希望にはそうことができません。なぜなら自分自身のスタジオというものを持っていないからです。

また彼からメールが着いた。それなら私を日本で受け入れてくれる芸術関係の機関を紹介していただけないでしょうか。

返事をまた書く。どこにも所属せずに芸術界では単独で活動しているのでそういうところは知りませんし、つながりもありません。ご希望にそえなくてすみません。

友達にそのことを知らせると、あれだけの作品を作っているのだから、海外から見ればスタジオも持っていてお弟子さんも数人いると思うよ。海外の学校では外で研修したりするからね。ということだった。

自分のスタジオー工房を持つことは久保極の夢のひとつである。そして自分の持っている石の技術を若い意欲のある人たちに教えるのも。

スタジオが(出来ればイタリアに)持てて各国からの研修生が来たらさぞかし楽しいだろうな。各国語が飛び交ってとてもにぎやかになるだろう。まあいつかそのうちね。

2009年8月15日土曜日

蝸牛 Snail

トラバーチンの抽象彫刻 蝸牛 Snail












          トラバーチン 13×13×23

蝸牛はトラバーチンの作品。見ているとくるくると引き込まれそうである。

芸術家とは因果な職業で生活のことを考えて優先させると、創作活動は出来なくなる。
売り込むことに懸命になるとアイディアは枯れてしまう。
よく作家で同じパターンのものばかり作る人がいるが、売れることを優先させてしまったあまり、いざ売れ出すともうアイディアは枯渇していて同じパターンのものの焼き直しになってしまったのだろう。残念なことだが。

10代から20代にかけてのイタリア時代に良いものに触れて充分エネルギーを充電できた久保極は、作品のアイデアには困ることがないようだ。イタリアが彼を支えて作品を作る活力をいまだに与え続けているようである。